NPOみんつなは2011年3月12日の発足以来、岩手県陸前高田市を中心とした支援を行なって来ました。3月~5月の初期には緊急物資支援を主とし、その後はボランティアの現地派遣や支援のマッチングに加え、メンバーの特性を生かした各学校での写真教室や写真洗浄なども行なって参りました。2011年8月までの活動報告は2011年度活動にて詳細に報告しております。
NPOみんつなは8月中旬を持って一度現地スタッフを撤退させ、継続的に行なっていた写真洗浄などの業務を他団体に引き継ぎ、ボランティア派遣業務も終了させました。撤退の理由として、現地スタッフに多大なる負担がかかったこと、現体制のままでは中長期的な支援は難しいため、体制変更の必要があったことなどが挙げられます。
2011年8月以降行なっている支援として、助成金支援事業があります。地元の人たちが中心となったプロジェクト、活動の中で、地域の発展、問題の改善などに取り組むもの、且つ資金面で困難に直面している(若しくは公共の助成金の申請が難しい)ものに対して、最長で2014年3月末までの助成を行います。助成額は対象プロジェクトの内容、NPOみんつなへの寄付金の状況を考慮して決定します。
※本ページでは「2012年の活動報告」という題ですが、2011年8月以降、中長期支援に切り替えてから、2012年度末までの活動を紹介しております。
【対象の活動内容】
妊婦から一歳前後までの赤ちゃんと、そのご家族の皆さんへの支援活動。有志の助産師が企画し、子育てにおける注意点のアドバイスやカウンセリング、お母さんたちのコミュニティの形成を行う。
【支援内容】
毎月10万円の助成金を寄与。助産師の人件費、会場費、軽食代などに充てられている。
【報告】
月2回行われる「こそだてシップ」では、集いの場を無くしたお母さんたちが、赤ちゃんを連れて集まってきます。軽食を取りながら、同じ地域の、同じような環境にある仲間たちと出逢えること、また、専門の知識をもった助産師から、育児のアドバイスや、ベビーマッサージの方法などを学び、医療環境が万全ではない陸前高田、大船渡地域での子育てをみなで支えあっています。NPOみんつなからの支援金は、開催場所の賃貸料、軽食の費用、助産師の方々への人件費に充てられています。月々10万円の支援は未だ十分とは言えず、助産師のなかには無給で活動に関わっている方も沢山います。継続的な活動のために、「あすなろシップ」ではこれまでの活動の成果を報告し、公的機関へ助成金の申請をしています。被災地における助成金の現状は芳しくなく、多くの団体が申請の段階で諦め、申請した団体の多くも不適合と判断され、受給することが非常に難しい状態です。その様な環境の中で、僅かとはいえNPOみんつなからの支援金が、「こそだてシップ」の継続のために役だっている様子を伺い、今後とも必要な助成だと判断致しました。当初の予定では2012年3月末までの支援予定でしたが、みんつなの財政状況に変化があったことを考慮し、3月末以降も引き続き支援していけたらと考えています。
【対象の活動内容】
通常の事業所で雇用されることが困難なひとに対して就労の機会を提供するとともに、生産活動や他の活動の機会を提供して、知識および能力の向上のために必要な訓練をやその他の便宜を図ることを目的とした通所施設です。 平成18年(2006年)10月1日に開所しました。利用者は18歳から66歳までの20名です。職員は、生活支援員1名、職業指導員2名、目標工賃達成指導員1名の計4人です。
生産活動科目
(1)環境保全製品科=EMぼかしの製造販売および地域と連携した環境保全活動
(2)菓子・パン製造科=手作りのお菓子とパンの製造販売
(3)オリジナル製品科=純綿マット・ヤーコン加工品の製造販売
(4)受託加工科=民間事業所から委託された作業を行う
【支援内容】
定期的な活動のモニタリング、オーブンの寄付、販売先のマッチング
【報告】
就労支援を行なっているあすなろホームでは、数多くの品物を生産し、地元の店、施設などに卸していました。しかし、震災によりそのような取引先が消失すると、利用者の方々の仕事を創出するのが難しい状況となりました。現在職員の方々の努力のかいもあり、徐々に取引先が増えてはきましたが、まだまだ安定した経済状況とはいえないのが現状です。NPOみんつなでは、お菓子製造部門にオーブントースターを寄付したことによって、作業の効率化をはかりました。また、独自のルートを使い、新規取引先の開拓にも務めています。NPOみんつな共同代表の小川光一が下北沢で運営していたカフェにも、あすなろホームからのケーキ等を仕入れ、販売することによって、あすなろホームへの直接支援に繋げると共に、そのケーキを通じてカフェ利用者の皆様にも、震災について日々思いを馳せて頂きました(現在カフェは閉店)。今後は、定期的なモニタリング、販売先の開拓と同時に、新製品開発のための勉強会の支援(講師を呼ぶなど)を通し、継続的な支援を続けていきたいと思います。
【対象の活動内容】
地元大船渡の林業を生かした箸作り
【支援内容】
事務所運営費、広報活動など
【報告】
岩手県大船渡市出身の中野圭氏が代表を務める鬼喜来クリエーションでは、地元の産業を活性化すべく、地元の特色を生かした生産品を作ろうと、箸作りを進めています。既に昨年夏には試作品の販売も行い、良い結果を残すことが出来ました。箸は、岩手県産の木材を使い、秋田在住の箸職人、躑躅森(つつじもり)氏の監修のもと作られます。復興をイメージした力強い黄色い箸は、今年2月には東京での販売を計画しており、3月11日には大々的に多方面へ販売を拡張していく予定でおります。震災後、地元に戻りたくても就職先がないという若者も多く、鬼喜来クリエーションの活動には、そのような若者たちにエールを送るという意味合いもあります。NPOみんつなでは、鬼喜来クリエーションが継続的な事業を行なっていけるよう、必要経費の助成、販売のPRなどを行なっていきます。
【支援内容】
6年生の修学旅行における写真のプリント費用を助成
【報告】
以前から親交のあった長部小学校から、修学旅行の記念写真のプリント費用を助成頂けないかという連絡がありました。当初から、NPOみんつなはそのメンバーの特性を生かし、写真に関係した支援を続けており、各学校に対しても必要なことがあれば連絡をしてくださるようにお伝えしておりました。修学旅行という短い期間の記録ですが、それが一生の記憶となり、子供たちの人生の彩りとなることを願っています。今後は、写真のプリント費用の助成など、直接的な金銭の助成は本当に必要な時に限り、現地の教育委員会、PTA、写真館などが一体となって復興に向けて歩めるよう、支援を続けていけたらと思います。
【支援内容】
以前から各所で行なっている写真教室を米崎小学校の6年生を対象に開催
【報告】
以前から何度か行なっている写真教室をこの度、陸前高田市米崎小学校の6年生を対象に行いました。修学旅行を控えていた6年生に対し、写真というものの可能性や、思い出を残すという経験をして欲しいという先生方からの提案で始まりました。そもそも、写真表現というものは、簡易的な使い切りカメラを使用したら老若男女を問わず、全ての人が可能な表現手段です。子供たちは、震災後のストレスの中、様々な思いをその胸の内に抱えている場合も多くあり、多くの表現手段が身近にあることによって、少しでもそのつっかえた思いを発散して欲しいという目的もありました。カメラは富士フィルムさんの協賛で、修学旅行前にひとつのカメラを使い切り、その後もう1台のカメラを渡し、修学旅行に持って行ってもらいました。その2つのカメラで撮影した写真を現像し、最後の授業ではその写真を自由に切り貼りしたアルバム作りを行いました。友人たちの寝顔を並べたアルバム、大好きな担任の先生をモデルに面白おかしなコラージュを作る子供たち、色とりどりのアルバムを前に、子供たちもとても楽しそうでした。NPOみんつなでは、今後も学校側からの希望があった場合には、写真教室を開催していけたらと思います。
【対象】
被災地外の団体
【支援内容】
被災地外の団体と地元に人々とのマッチング
【報告】
今回の震災では、本当に多くの方がその支援に立ち上がりました。それに伴い数多くの支援団体が立ち上がり、独自の活動を展開しました。ボランティアの力なくしては当初の緊急支援は成り立たなかったといっても過言ではないでしょう。しかし、その素晴らしい成果とは裏腹に、多くのミスマッチングが発生したことも、今後の緊急支援への教訓として考えずにはおけない問題だと思います。ニーズを把握しきれないままに運ばれてきた物資、サービスが、受け入れ側の負担となる事例が数多くありました。また、その仲介となるひと、団体も多くの負担を強いられ、結果的に支援が本当に必要なところに届かなかったケースも見受けられました。NPOみんつなでは、そのような齟齬を少しでも無くしたいと考え、「現地の支援を行いたいが物理的にも離れていて詳細な情報がない」、「どこに届けたら良いかわからない」といったひと、団体の仲介となり、いくつかの支援を地元の人々に届けました。遠く九州から、東北の人達のためにクリスマスカードを届けたいといった支援や、あてもなく毛布やストーブなどを積んで直接被災地へやってきた人へ、物資の受け入れ先を斡旋するなど、微力ながらマッチング業務も行なって参りました。NPOみんつなは、主業務としてマッチングを行なっているわけではありませんが、今後も問い合わせを頂いた際には、少しでもその支援が有効となるよう繋げていこうと思います。
のびのび子育てサポータースマイル(大船渡市)
60万円 今年度事業運営費
認知症にやさしい地域支援の会(陸前高田市)
30万円 今年度事業運営費、とくに講習会、講演会等
大船渡地区認知症の人と家族の会(大船渡市)
30万円 今年度事業運営費
ワークハウス雲(一ノ関市)
28万5千円 冷蔵庫購入費
町場地域を支える会(大船渡市)
20万円 高齢者孤立防止のための警備システム確立
復興モニュメント(大船渡市)
50万円 モニュメント作成のためのタイル費用他
きっぴんキッズ(大船渡市)
50万円 イベント開催費など
陸前高田市竹駒小学校写真教室(写真家、石川梵さんの手伝い)
高速代:5,150円(片道高速代)×4(2往復)=20,600円
ガソリン代:片道8000円×4(2往復)=32,000円
合計:52,600円
※その他諸費用は個人負担
陸前高田市竹駒小学校の卒業アルバム代支援
1000円(写真代)×23名(生徒10人+職員13名)=23,000円分